自分は特別だと思えるか

「私は自らをスペシャルワンだと思っている」
 
これは2004年の6月に
チェルシーの監督就任会見でモウリーニョが話したことです。
 
また、
 
「いつも自分は特別な存在だと感じていた」
 
これはスティーブ・ジョブズが幼少の頃のことを振り返っての話です。
 
 
この二人に限らず何かを成してきた人のほとんどが
「自分は特別な存在だ」ということを自覚しています。
 
 
 
僕は小さい頃から特別な存在になりと思っていました。
 
学業もそこそこ、身長もそこそこ、サッカーも、
成長するにつれて上には上がいるということを知って
さらに特別な存在になりたい。という思いは強くなっていきました。
 
でも次第に特別な存在になるには
『結果を出さなきゃいけない!』と
結果に執着するようになりました。
 
 
『結果を出さないといけない』
『失敗できない』
『負けちゃいけない』
 
そんな強迫的な思いがいつも自分の中にありました。
 
結果を出すことに執着したり
特別な存在になろうとしたのは
 
特別じゃない自分
たいしたことない自分
 
を隠すためでした。
 
特別じゃない、たいしたことない自分、
そんな自分は価値がない。
 
価値がない自分がばれないように
見ないように
必死でした。
 
だから
早く結果を出して認められたい。
認められて安心したい。
 
いつも心の深いところに
自分が認められていないことへの不安がありました。
 
 
でも、そうなると結果が出ないときは
自分を責めます。
 
『どうしておれはこんなにできないんだ。
やばい。どうしよう。。。』
 
結果が出ても
 
『次結果が出なかったらどうしよう。
この評価を下げたら居場所がなくなっちゃう。。。』
 
そのプレッシャーでパフォーマンスに波が出て
結果も出たり出なかったりのそこそこでした。
 
 
最近ようやくわかったことは
まず自分を特別だと思えて初めて結果が出るようになるということです。
 
 
これは誰かと比べて秀でてるとか
特別扱いされているかどうか
ということではありません。
 
 
結果だけでなく
周りから認められる評価を得るにしても
すべてはまず
 
自分が自分を特別なんだと知ることが最初で
そうじゃないと何も変わらないということでした。
 
どういうことかというと
 
[結果が出る→自分は特別] じゃなくて
[自分は特別→結果が出る] ということです。
 
僕たちが小さい頃から教わってきたこととは
おそらく順番が逆です。
 
 
そうはいっても何も結果を出していないのに
自分が特別だなんて言えば
 
『ナルシストだ』とか『おかしい奴だ』と言われてしまうかもしれません。
 
 
『周りの目を気にせずやる』これはよく聞く言葉ですが
実際周りの目を気にせずにできる人は少ないはずです。
 
周りの目は気にして当たり前です。
それでも自分を特別だと思えるかどうか。
 
これはかなり難しそうです。
 
 
だけどよく考えたら実は簡単で
そもそも誰もが最初から特別なんです。
 
 
ぼくがその考えに至ったのは2012年末頃。
それは母親からの一通のメールがきっかけでした。
 
当時銀座でバイトしていた僕は
この先の人生どうしようか考えているときでした。
 
その日は
電車で地元に帰っているときでした。
 
駅に降りて携帯を見ると母さんからのメール受信。
メールボックスを開けるとそこに書かれていたのは
 
27年前に僕が生まれた時のこと、
そのとき母さんや父さんがどれだけ喜んでくれたか、
そしてぼくをどれだけ愛してくれているのか、
そんな言葉が綴られていました。
 
 
衝撃でした。
 
 
僕は小さい頃から自分に自信が持てませんでした。
それは周りと比較してしまう社会に生きてきたからかもしれないし
自分自身の性格が影響していたからかもしれません。
 
ただこのときは
周りと比較することなく
自分って特別だったんだ。と心から気づけました。
 
それは横柄なものでも
自分勝手に振舞っていいとかそういう特別
ということじゃありません。
 
 
純粋に唯一無二の特別な存在として生まれてきて
喜ばれた存在なんだということに感激しました。
 
27年間そんな当たり前のことに気づきませんでした。
 
駅のホームでこのメールを開けたとき
泣き崩れてベンチでひとり号泣していました。
 
たくさんの人が帰宅している時間帯だったので
いろんな人に見られたかもしれません。
それでもあんまり気になりませんでした。
 
最初から頑張る必要も何も、
誰かに認められる必要なんてなかったんだ。
そう思えました。
 
自分の存在を初めて認めることができて
心の底から安心しました。
今までの苦しみから解放されたので
一気に涙があふれたのかもしれません。
 
泣き終わった後リセットされたようでした。
 
何かをする必要もなくなって
それこそ必要な結果もなくなって
プレッシャーから解放されました。
 
 
やりたいことをやればいいし
やらなくてもいい。
 
出したい結果があれば出せばいいし
強制されてやらされることはやらなくていい。
 
人にムカついてもいいし
優しくてもいい
 
競いあいたいならすればいいし
でも人と比較はしなくていい。
 
お金も稼ぎたいなら稼げばいいし
稼ぎたくなければ稼がなくてもいい。
 
人と違ってもいいし
普通でもいい。
 
とにかくありのままでいい。
まさにエルサ状態です。
 
大ヒットした理由もそこにあるんじゃないかなと思います。
どんなにダメな自分でも
周りと違う自分でもそのままでいい。
 
だって誰もがそんなこと関係なく
ありのままで特別なんだから
 
 
そもそも、宇宙に一人しかいない存在なんて
特別以外のなにものでもない。
 
そんな特別な人だったらなにやっても
大丈夫でしょ。
 
エルサが歌った心の叫びは
現代人の叫びかもしれません。
・・・考えすぎか。
 
 
論理的でもなんでもないけど
すごく自分自身納得したのを覚えています。
 
 
そうして何もしなくても、してもよくなった僕は
じゃ好きなことやろう。やってみたいことやろう。
というふうに思いました。
 
そう思ってまず
人生で初めて髪を染めました。
しかも金髪に。笑
 
それからいろいろやってみました。
もちろん法律の範囲内で(たぶん)
 
そうすると今まで見えなかったことが見えるようになって
いろんなアイディアも出てくるようになって
経済的にも精神的にもいい感じの時間が増えるようになりました。
 
好きなことやれってそういうことか。
今はそれがわかります。
 
 
モウリーニョも、スティーブジョブズや
歴代の偉人さんたちは
好きなことをやってすごい結果を出したのも
 
『自分は特別だ』と自分を大事にしていたからこそです。
 
『特別な自分』に似合った結果を
無意識が選び出したのです。
 
そういうと難しく聞こえますが
 
好きなことをすれば
時間も忘れて没頭するし
生産性は上がるし
そうしたら価値のあるものは自然と生まれます。
 
価値あるものは人のためにもなるだろうし
当然お金だって発生します。
 
 
だから好きなことばっかりやれなんて無責任な大人ですか?
という話にはなりません。
その逆で面白い世の中のためになる大人になるはずです。
 
でももし
仮にそうならなかったとしても悪いことじゃありません。
いろんな人がいて、
その誰もが宇宙一の特別な人だからそれでいいんじゃないでしょうか。
 
ただ一言付け加えるとみんなが特別と言っても
嫌いな人は嫌いだし
苦手な人は苦手です。笑
 
でもそれでもいいと思います。
 
だれしも宇宙一の特別な存在として生まれているのに
誰かと競わされたり
生き方を決められたり
そっちの方が違う気がします。
 
もちろん差別、貧困、格差、戦争、災害・・・
自分で選べない状況で苦しんでいる人もたくさんいます。
 
だから好きなことをできない状況の人もこの世の中にはたくさんいます。
そんな状況じゃ自分を特別だなんて思えないかもしれません。
 
でもだからこそ好きなことをするということを選べる僕は
そういう世界が少しでも変えれるような人になりたいし
 
今はサッカー選手として観る人が幸せになったり
喜んだりするプレーやゴールを決めていきたいと思っています。
 
回り回って僕がやりたいことは
好きなサッカーを楽しんでいたら周りも楽しくなってる。ということでした。
 
もちろんお金も稼いで世の中に回していけば
自分も家族も世の中も少しづつリッチになって
世界は今よりも少しは良くなっていくんじゃないかな〜
と思っています。
 
 
8月2日。
僕の誕生日でした。
FB上のメッセージやコメントが400件ほどきました。
 
自分を大事にできたあの日の駅のホームから
いろんなことが変わりました。
 
格好つけるようですが
たくさんの人に支えられているんだということに気づけたこと、
大事な人に感謝の気持ちを持てるようになったことが
自分の中で一番変わったことかもしれません。
 
僕のためにメッセージを書くのに
ひとり最低でも1分。長くて5分ぐらいかかります。
どれも僕にとって特別なメッセージです。
一つ一つのどれもが読んでいて嬉しくなります。
 
ひとりひとりの人生の貴重な時間を足してみたら
400分〜2000分を僕に送ってくれた計算です。
ハンパないです。
 
今もまだ一通一通読んでいる最中です。
嬉しいです。
自分ってすごいな。そう思います。自慢です。笑
 
そんな気持ちがまたやりたいことを見つけてくれて
人生がまた少し楽しくなっていきます。
 
忘れがちな周りの人への感謝、
そして
もっと忘れがちな自分自身への感謝の気持ちを
持ち続けながら
 
またボール蹴っていこうと思います。
 
 
https://youtu.be/rPg5gI54Mlo?t=5m4s
 
それではようやく終わりです。笑
今日も最後まで読んでくれてありがとうございました。
 
 
Shimo

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