先日ヴェルディユースの後輩の
久保木優選手が主催する団体Global Footbalers Assosiationの
サッカーイベントに参加して来ました。
僕はサッカーイベントで子どもたちと
サッカーをするときに
特に大事にしていることがあります。
それは
”大人気なさ”です。
僕がヴェルディにいたころ
ラモスや都並さん
菊原史郎さんといった
一時代を築いた天才プレーヤーが
練習によく混ざってくれました。
あの当時
ヴェルディは特殊な環境で
上の選手が下の選手の練習に混ざって
体で覚えさせる。ということを
してくれました。
手取り足取りではなく
日本の伝統
匠の文化。
師匠の技を盗む。
そういう古風な文化が
ヴェルディにはありました。
そのとき僕が彼らとプレーして
一番覚えているのが
大人気なさです。
よく言えば老獪さ。
でも
『子ども相手にそれはないでしょう』
というせこいプレーを
何度も見せられ
さらに、必ず勝つという
勝負に対するこだわりには
恐ろしいものがありました。
でも
『せこ〜っ!』だけでは終わらせないのが
ヴェルディ。
必ずスーパープレーを
見せてくるのです。
そんなに技があるなら
せこいことしなくてもいいのに。
そう思わせられる
華麗なプレー。
圧倒的な試合運びと技術で
完膚なきまでに叩く。
そしてメンタルもズタボロに。
そんな強さを体感し
毎日感じる悔しさとともに
僕は憧れていました。
思い起こせば僕のサッカーの起源は
ストリートです。
家の裏の路地で
あっちの電信柱から
こっちの電信柱までがグラウンドでした。
雑草が生えてところどころぬかるみがあり
石ころが転がっていて
真ん中に遊具がある広場が会場でした。
横に立っている家の壁を使って
ワンツーしたり
ぬかるみを避けて
あるいは活かしてプレーする。
ルールは自分たちで決める。
チーム決めのジャンケンにかける気持ち。
相手の裏をかく楽しさ。
相手の苛立ちを利用して
勝ちに引き込む心理戦。
そういうものが
僕の中にはあって、
綺麗事だけではない
人間らしさの全てを出せるアート。
そういう芸術性が
サッカーの醍醐味だと僕は思っています。
ただ技の良し悪しを競うだけの
得点数や勝敗を競う
ただのスポーツに成り下がっている感がある
今のサッカーですが
そうではない
少し古風なサッカーを
僕はやっていきたい。
なぜなら僕がサッカーを魅せられたのは
ラモス瑠偉であり、カズであり、バッジョであり中田英寿
そういった選手だったから。
*大人気なく点を決めて文句を言われている
最近の子どもたちは勝敗を意識させられ
監督の戦術を教え込まれています。
でも
駆け引きでするサッカーや
笑顔の中に真剣勝負と
心の底から出てくる情熱をぶつけ合うサッカー。
男らしく優しいサッカー。
損得勘定を超えたサッカー。
そういうものが大事だと思います。
僕はただ戦術や技術を教えるコーチは
子どもたちにはいらない。
そう思っています。
大人の方には
自分が生きてきた人生
社会で大事だと思ったこと。
それをフィールドで表現して欲しい。
そんなかっこいい大人の背中を見れば
子供は勝手に羽ばたいていきます。
僕の父はお肉屋だった。
サッカーは素人だったから技術のことは何1つ言わなかったけど
”仲間を大事にすること”
”持てる力を出し切ること”
”好きなことを楽しむこと”を教えてくれました。
僕たちはサッカーで子どもたちに
技術や戦術や勝ち負けを教えるんじゃなくて
生き方をもっと大事な
心から出てくる情熱を魅せれたら素敵だな。と僕は思います。
だから僕はこれからも
子どもたちとサッカーをやるときは
人生をかけてやってきたサッカーを
大人気なく見せつけていきたいと思います。
彼らの将来を願って。
サッカーイベント動画
『夢で世界を飛び超えるサッカーアクティベーション』
https://youtu.be/BxRLd1AU2yA
久保木優選手がつくった
Global Footballers Association が
そういった選手を輩出する場所。
日本の面白くてかっこいいサッカー選手が
増える場所になってくれたらなと
僕個人として思います。
今回協賛してくださった
スポンサーのみなさま、
保護者のみなさま、
参加してくれた未来の宝である子供たち、
そして
サッカー選手として
僕を育ててくれた全ての人に、
ありがとうございます。