10歳の少年

僕はグラウンドに立つ時いつも
ある1人の少年が
僕の試合を見にきていることをイメージして
その子のためにプレーてきました。

 

その子は
少し孤独な少年で

 

いつも放課後に
公園で1人でボールを蹴っています。

『いつの日かプロの世界で活躍し
早く共働きの両親を楽させたい。』

そう思いながら
寂しさを紛らわしながら

壁にボールを
蹴り続けています。

彼は冬になると寒さと乾燥で
ハーフパンツと
ももが擦れて
そこから血が出ます。

校庭の練習で
スライディングしたら
お尻の横と膝を
擦りむいてしまうので

夜風呂に入るときは
そこが少ししみます。

それでも

それが、
なんというか
勲章のように感じる。

一歩一歩プロの世界に
近づいている。

そう思える毎日を送っています。

彼がプロになりたいのは
TVに映る選手たちが
かっこよかったから。

華やかなあの舞台に立ちたいから。
そしてやっぱり

共働きの両親を楽させたい。

特にお母さんに親孝行がしたい。

その思いが強く、
来る日も来る日もボールを蹴っています。

その子が今日
たまたま観にこれるようになったのが
僕の試合です。

久しぶりに
休日に休みのとれた両親と
スタジアムに試合を観にきます。

しかも
人生で初めての
スタジアム観戦です。

それが僕が出る試合です。

その日彼の両親は忙しい中

子どものために時間を空けて
スタジアムに来ました。

その試合で僕は点を決め
あるいは試合を導くプレーをします。

スタンドを観ると
子どもそっちのけで
感動している彼の両親がいます。

その日彼と彼の両親は
いい気分で車に乗り
家へ帰ります。

その日の車の中で
両親は珍しく喧嘩をしませんでした。

感動のいい試合の後は
誰もイライラしないからです。

その日の帰りは終始穏やかで

両親は彼に対して
いつも以上に
愛情を注いでくれました。

彼は久しぶりの家族団欒に
とても嬉しくなりました。

家に帰っても
両親は優しく
家の中は温かい雰囲気で

穏やかな気持ちと興奮で
眠りについた彼は
いい夢を見ました。 『僕も金髪のあの選手みたいになりたい』

そうやって彼は
夢を描き、よりリアルに
プロになった後の世界を描き始め

15年後。

彼はスタジアムで
同じようにプロの舞台で 
子どもたちに夢を与える
影響力を持った大人になりました。

僕の仕事は
この10歳の子のために
やっています。

そしてその10歳の子とは
紛れもなく昔の僕です。

僕は両親に愛されて育ちましたが
子どもを育てるのに大変だった両親は
共働きで

僕は両親とゆっくり過ごすことが
できませんでした。

甘えられなかったのです。

そして
もっとみんなの注意を
得たかったから

華やかな世界に憧れたのだとも
思います。
でもそれが救いでもありました。

僕の中には
認められたい、ちやほやされたい
寂しさを紛らわせたい

という思いを満たしてくれそうな世界が
プロサッカー選手だったし

それに
一生懸命働く両親を楽させることが
できるという夢を実現するものが

プロサッカー選手でした。

だから
10歳の少年にとって
サッカー選手になることは
人生の全てになりました。

若干寂しい感じもありますが

そういう孤独や
劣等感は僕は人生を歩むための
大事なエネルギーだと思います。

もちろん
満たされない気持ちを埋めるために、

あるいは
救われたいという気持ちで

何かをすることで
反動はあるのですが

それでも最初の一歩、

成功する
夢を実現する人の多くは

不足感を超えたい、
重荷から解放されたい

綺麗事ではない思いで
最初の一歩を踏み出します。

僕はそんな10歳の子に

『それでもいい』
『それでもこうなれる』
『それだからここにこれるぞ』

そう思ってプレーしてきました。

「周りのみんなみたいに平和で
満たされていなくても大丈夫」
『そうやって勇気付けられた最高だな』
そう思ってプレーしてきました。

タイでの7年間。
それはサッカー選手としては
まるで夢のようでした。

10歳の時に描いた夢が
実現していきました。

同時に子どもたちに
夢を与える選手になれたことを
とても嬉しく思います。

応援してくれた皆さんに支えられ
ここまでできたことに
心から感謝しています。

 

これからもSHO SHIMOJIは 

ひとりでも多くの子に光を与えるために 

自分自身が向上し成長し続け 

背中を見せる人間として生きていきます。

 

 

P.S.
タイでのチャレンジは終わりましたが
3月中旬までは東南アジアを中心に
選手としてのプレーできる場所を
探し続けていきます。 

なので家族への感謝も
友人への感謝もまだです

タイは引退ですが
引退はまだしないからです。笑 

とはいえ
この先はどうなるかわかりません。

ここを一区切りとして
また15-20年先を見据えて
軸はブラさず
毎日を生きていこうと思います。

今後とも
応援よろしくお願いします。 

ひとまず日本へ帰国します^^

感謝

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