こんにちは。
今日はキザなタイトルですが
これは僕の大好きな曲の一つ
清水翔太の『My Treasure』です。
心に響くいい曲です。
素敵な音楽を作る人。
まじ尊敬です。
・・・
僕はサガン鳥栖というチームで
３年間プレーしていました。
その当時
僕は試合に出たり出なかったり
怪我をしては戦列から離れる日々が続いていました。
幼い頃から描いたプロになるという夢を叶えてから
これといった輝かしいものを残せずにいました。
こんなはずじゃない。
と思いつつ先の見えない感じが拭えないまま
ボールを蹴る毎日。
悩む日々が続いていました。
実は最近まで鳥栖で過ごした時期は
僕にとって暗い思い出でした。
そんなイマイチな僕を
いつも笑顔で
温かく迎えてくれる人たちがいました。
その当時僕は他の選手と一緒に
練習が終わるとクラブをサポートしてくれている
セキスイ鳥栖工場へ行き
そこの食堂でごはんを食べさせてもらっていました。
そこでごはんを作ってくれるおばちゃんやお姉さんが
美味しいごはんと笑顔でいつも温かく迎えてくれました 。
うまくいっている、いっていないに関わらず
ありのままを受け入れてくれるおばちゃんたちは
僕にとってすごく心が休まる存在でした。
そしてもう一人
僕を応援し続けてくれたのが
工場に勤務している重松さん。
彼はいつもサガン鳥栖を応援し
試合にあまり出ていなかった僕にも
優しい笑顔で心から応援して
いつも気にかけてくれていました。
鳥栖での生活が３年過ぎ
僕は一大決心をして鳥栖を飛び出しました。
南米に行く前に会って挨拶した時も
重松さんはただただ応援してくれました 。
僕はすごく嬉しかったです。
何もできなかった思いが強く残った鳥栖での３年間。
そこから飛び立った南米での２年間は
さらに何もできない自分にぶつかりました。
１年目は契約もなく練習生として
ただ毎日を過ごしていました。
僕が南米に飛び立ってから
鳥栖はJ１へ昇格しました。
インターネットで入ってくる鳥栖の大躍進。
一緒にプレーしていた仲間たちが
活躍して日々鳥栖の熱が高まっていくのを
遠くブラジルから見ていました。
もう戻る場所がない孤独感。
それは全て自分が選択したことなのに
誰かのせいにしたりしていました。
何もできない。
それでも
夢にしがみつくしかありませんでした。
活躍している仲間を心から応援できない自分。
複雑な感情。
それがダサくて悔しくて情けなくて
それでいて羨んで
嫉妬している自分が悲しくなりました。
勝手に飛び出したのに
プロの世界に入れてくれたチームなのに
たくさん応援してくれた人がいるのに
『ありがとう』という感謝の気持ちが
持てませんでした。
そんな自分が本当に嫌になり
罪悪感が拭えませんでした。
どうしても鳥栖でのことが
暗い思い出として残ったまま
心の整理がつきませんでした。
でも最近ようやく
全ては自分のせいだったんだ。
と思えるようになって変わりました。
もちろん全てを受け入れるのは難しいし
今でもすぐに人のせいにしてしまう自分は
出てきます。
でも
あの当時何もできなかったのは
誰のせいでもなく
自分のせいだとわかるようになりました。
あれからもがいて、もがいて
歩いてきて
少し光がさして
そして今もまたもがいて
先の見えない中にいます。
でもあの時と違うのは
それも自分だと思えること。
必死に否定して
消したかった鳥栖での自分も
何もできずに苦しかった南米での自分も
『あのときがあったから今がある』
そういう思いが持てるようになりました。
・・・
重松さんは今年勤続35年を迎え
会社から表彰を受けました。
その副賞の旅行券で奥さんとタイ旅行に来て
僕に会いに来てくれました。
あの日と変わらず温かく優しい笑顔で
僕を受け入れてくれました。
・・・
『鳥栖』
＝鳥の栖（すみか）
僕はプロとして鳥栖で生まれ育ち
そこから世界へ
旅立つことができました。
鳥栖に入れて本当に良かった。
いいチームと出会えて良かった。
今では心から感謝しています。
人は未来に向かって変わっていきます。
でも僕の中には確かに
もがいて鳥栖で過ごした自分がいます。
仲間の活躍を喜べなかったダサい自分もいます。
いろんな思い出や経験。
応援してくれたたくさんの人。
今でも応援してくれる重松さんやたくさんの人が
これからも僕を支えてくれます。
『あの街で出会った全てのもの
この街で見つけた自分自身
これまでも これからも
僕を支えてゆくもの
「ありがとう」が
上手く言えずに泣いてたあの日から
数えきれない出会いの中で
僕が手にしたもの My Treasure』
～清水翔太『My Treasure』より～
http://v.youku.com/v_show/id_XMTA5NDE5NzI0.html
今日も最後まで観てくれて
ありがとうございました。
Shimo
