”夢よりも金”という現実
プロサッカーを諦め銀座のボーイへ
ブラジルから一時帰国した僕は
日本でプロチームのセレクションを受けるも
ことごとく、全て落ちました。
そして同じ頃
急遽ブラジルから
連絡が入りました。
『会長が選挙で負けてチーム事情が変わった。だから来年は契約できない。。。』と
来年の契約の白紙が伝えられました。
突然、僕の支えだった
人生の夢は
消えました。
そして
目の前に現実が現れます。
27歳、妻と1歳の子持ち
170万円の借金
家なし無職
銀行口座には53円
コンビニで100円のおにぎりが買えない・・・
南米挑戦で全財産使い果たし
家族に170万円の借金をしていました。
元Jリーガの肩書きも
ブラジルリーグ優勝の経験も
コンビニのおにぎりを買うための
100円の価値すらありませんでした。
『夢ってなんだろう・・・』
娘におにぎりすら買えず
奥さんの実家に居候する
マスオさん状態。
夢を追って生きた自分を
バカらしく情けなく思いました。
『夢は終わり。現実やっぱり金だ。』
何もなくなった僕は
人生を変えるため
それまで避けてきた
お金のことやお金持ちの世界を
知たくなりました。
そこで
どうせ生活費を稼ぐ為に仕事をするなら
時給が高くて
お金持ちが集まるところがいいと思って
銀座のクラブのバイトに
応募しました。
何度も思ってきた
”人生を変えよう”。
でも今回ばかりは
”今すぐ変わらないとまずい”
”自分が変わるしかない”状況でした。
銀座の並木通り
ポルシェビル7階の”せれす”という店。
面接に行くと
クラブのママは気に入ってくれて
即決まり。
それから週5日
夕方5時から終電まで働きながら
お金持ちの世界を研究し始めました。
1ヶ月後に入ってきた
最初の給料は
勤務日数が3週間だけだったこともあり
満額ではなかったけど
それでも10万円を超えました。
*それは、ブラジルでもらっていた額以上でした。
「”お金が全てではない”かもしれないけど
お金があることはすごく幸せで大事なこと』
”夢を追ってもお金がなくて苦しいのなら
それは何かが違う”
そう思った僕は
それからサッカーを
一切やらなくなりました。
当時僕は
午前中は1歳半の娘を
公園に連れて行き遊ばせて
昼になると
奥さんが働いている
バイト先のスーパーに迎えに行き
夜は銀座のクラブで働いていました。
そこで午後の時間で
図書館に通い
できる限りの成功本を読み漁りました。
その中でも
”金持ち父さん”が大好きでした。
そこに書いてあった
『ほしいものを手に入れるための順番は
BE(〜である)-DO(〜をする)-HAVE(〜を手に入れる・持つ)』
という言葉にビビっときました。
僕は直感的に
ブラジルで知った
潜在意識とセルフイメージを思い出し
”自分を根本から見直すことが
人生を変える方法だ”
と感じました。
そして
バイトでもらった最初の給料で
以前から興味があった
YouTuberの河本真さんの
という
”潜在意識を使って
目標や夢を実現するプログラム”
というのを始めることにしました。
お金がなくなった僕にとって
最初は
『やっぱり怪しいな。。こんなんでうまくいくのかな?』
『詐欺だったらどうしよう・・・』という
不安があって迷いましたが
結局最後は
『これしかない!騙されてみよう』
と直感を信じて購入しました。
『直感は正確。騙されて正解。』
購入したオンライン版の
すぐにメールで届きました。
プログラムは
PDFと音声のMP3で構成されていました。
それから僕は
バイトが終わると
山手線の終電の中で
酔っ払いたちに囲まれながら
プログラム内にある
”脳をリラックスさせながら
セルフイメージとパフォーマンスを向上させる音源”を聞き
家に帰ってからの深夜と
家族がまだ寝ている早朝に
”潜在意識とセルフイメージを書き換えるワーク”を
順番にこなしていきました。
・・・
最初は怪しいと
疑っていた僕でしたが
このプログラムの中には
なんでお金を稼げないのか。
なぜ自分は結果が出ない選手なのか。
なんで夢を叶えられないのか。。。
という
自分のうまくいかなかった理由が
全て科学的に示されてありました。
銀座No.1ホステスひかるさんから学んだ
結果を出すプロの潜在意識の秘密
セルフイメージ=リアルパフォーマンス
Potential Secret をやりながら
潜在意識が活性化してくると
それまでとは全く違う気づきや
アイディアが出てくるようになり
バイト中に
成功者の秘密が見えるように
なっていきました。
カウンターの中から
ホステスさんたちの働き方を見ていると
稼げるホステスさんと稼げないホステスさんの違い
=稼げる選手を稼げない選手の違い
であることに気づきました。
僕が勤めていた
”セレス”のNo.1ホステスひかるさんは
他のホステスさんと比べても
特別綺麗なわけでも
スタイルがいいわけでも
ありませんでした。
それでも
いつも彼女目当てにお客さんが
たくさん訪れ
毎日同伴出勤で
上客を連れてくるし
席に着いたお客さんは
どんどん高額のボトルを
開けていきました。
それでいて満足して
帰っていき何度も来るお客さんたち。
指揮官である”ママ”の信頼は特別でした。
何が他のホステスと違うか?
それは
セルフイメージの違いでした
他のホステスさんは
”高い時給をもらうために働いている普通の子”でした。
『彼女たちは自分がちやほやされたい』
『ただノルマをこなしてお金を貰えばいい』
というセルフイメージでした。
彼女たちの中には
モデルさん並に可愛く
スタイル抜群の巨乳の持ち主もいましたが
彼女たちにつくお客さんというのは
ほとんどがホステスさんを
口説くために来ていて
お金も落とさないような
いいお客さんではありませんでした。
反対にひかるさんは
”銀座のクラブのNo.1”
を全身で意識していました。
それは佇まいから
一つ一つの所作。動作。
話し方から話の聴き方に至るまで
”銀座のクラブのNo.1”というセルフイメージ
を徹底していました。
そして
ひかるさんにつくお客さんは
上品でいて
連れてきた周りの人たちも一緒に
楽しむ気遣いのできる人ばかりで
ママやボーイの僕たちにも
感謝を示してくれて
それでいてちゃんと
いっぱいお金を落としていくような
”男から見てもかっこいい男”の
お金持ちが集まっていました。
Potential Secretでも言っていた
”セルフイメージとパフォーマンスは比例する”
それを間近で感じ
『自分もセルフイメージを上げていくことで
プレーのパフォーマンスは変わっていくかもしれない』
能力や才能や経歴は
他の選手と比べると劣るとしても
自分なりのハイパフォーマンスで
お客さんを喜ばせることができる選手になれる
かもしれない・・・
『もう一度サッカー選手をやれるなら
夢を追ったり
ただ自分をすごく見せるためにプレーするのではなく
”観た人が感動し人生を変えるような夢を見せれる選手になりたい”
”夢とお金を両立する人でありたい”』
その思いが日に日に
強くなっていきました。
そう思い始めて
3ヶ月が経とうとしたある日。
突然知人から
タイリーグのトライアウトの話が
入ってきました。。。
・・・続く
『銀座クラブ編(終)』